合成シャンプーで「経皮毒」になる?
合成シャンプーで「経皮毒」になる?
界面活性剤が肝臓に溜まるという話について
「合成シャンプーを使うと、
皮膚から有害物質が吸収され、
肝臓や子宮に蓄積する――」
このような話を、
一度は耳にしたことがある方も
いらっしゃるかもしれません。
湿布薬を貼ると成分が体内に作用することから、
「シャンプーも頭皮から吸収され、
体に溜まるのでは?」
と想像されることもあるようです。
ただ、この考え方については
科学的に確認されている事実と、
イメージや仮説の部分を分けて考える必要があります。
「経皮吸収」と「体内に蓄積する」は別の話
まず知っておきたいのは、
-
皮膚から成分が一部吸収されること
-
それが体内に蓄積し、臓器に悪影響を及ぼすこと
この2つは同じ意味ではないという点です。
医薬品の一部には、
皮膚から吸収される設計のものもありますが、
それらは
-
分子量
-
脂溶性
-
吸収経路
などを前提に、
厳密に設計・管理されています。
一方、シャンプーや洗浄剤は
洗い流すことを前提とした製品であり、
体内に蓄積するような設計にはなっていません。
界面活性剤が肝臓に溜まる、という説について
「界面活性剤が頭皮から吸収され、
肝臓に溜まるのではないか」
という話については、
現在のところ、
日常使用レベルのシャンプーで
そのような蓄積が起こるとする
信頼性の高い科学的エビデンスは確認されていません。
また、もし皮膚から大量に成分が吸収され、
血流に乗るようなことがあれば、
生体の仕組み上、
まず影響を受けやすいのは
肝臓以前に他の重要器官である可能性が高いと考えられています。
動物実験の話が出てくる理由
「動物実験で、
界面活性剤を使うと皮膚が荒れた」
という話を聞いたことがある方もいるかもしれません。
ただし、こうした実験の多くは
-
界面活性剤の原液
-
高濃度
-
長時間接触
といった、
日常の使用条件とは大きく異なる状況で行われています。
日本国内で販売されているシャンプーは、
配合濃度や使用条件について
一定の基準が設けられており、
現実的な使用方法とはかけ離れた条件の結果を
そのまま当てはめることはできません。
「合わない」と「体に害がある」は別
実際に、
-
かゆみが出る
-
乾燥する
-
赤みが出る
といった反応が起こる方がいるのも事実です。
ただしこれは
体質や肌状態との相性の問題であり、
「体内に毒が溜まっている」
という話とは別のものです。
どんなにやさしい成分でも、
合わない人がいるのは自然なことです。
洗浄成分の種類について
「アミノ酸系は安全、
高級アルコール系は危険」
といった単純な分け方を
見かけることもありますが、
実際には
どの洗浄成分も
役割は皮脂や汚れを落とすこと。
大切なのは
成分名だけで判断することよりも、
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洗い方
-
洗う頻度
-
頭皮や髪の状態
に合わせて使うことです。
不安よりも、正しい理解を
「もし体に悪かったらどうしよう」
という不安は、
誰にでも起こり得るものです。
ただ、
不安を強める情報だけを信じてしまうと、
日常そのものが
窮屈になってしまうこともあります。
大切なのは、
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科学的に確認されていること
-
まだ仮説やイメージの段階のもの
を分けて受け取ること。
その上で、
自分の肌や体調に合うものを選ぶ
それが一番現実的で、
健やかな選択だと考えています。
